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スケルトン・インフィルとは
2016/04/15前々回は「住宅の資産価値」の話を、
そして前回は、「長期優良住宅」の話をしました。
引き続き、資産価値を維持していくために重要なこととして
今回は
「スケルトン・インフィル住宅」
についてです。
スケルトン・インフィルとは
スケルトン(柱や梁や床などの構造躯体)と
インフィル(内装、設備など)を分離した工法のこと。
本来マンションなどのRCラーメン構造は
建築物自体の耐用年数が
内装のそれよりも長いのですが
日本では従来、
構造と内装とを分けていなかったので
「内装の耐用年数が建物全体の寿命」
となっていました。
それに対し
構造体と内装の耐用年数をそれぞれ想定して
つくられてきた欧米の高層建築の、
「躯体はそのままで
外装・内装を何度でも入れ替えられる建造物」
というのが、スケルトン・インフィルの基本理念と言われています。
(ウィキペディア”スケルトン・インフィル住宅”参照)
さて
この「スケルトン・インフィル」、
最近では木造の戸建てにも取り入れられてきています。
内外装・設備・間取りが干渉することのない
耐久性の高い構造体(骨組み)をつくれば、
自由に間取りの変更ができます。
つまり、
木造でスケルトン・インフィルを実現するためには
鉄骨造のように柱と梁で構造を支えるつくり方(ラーメン構造)
にする必要があり、
そしてその
木造ラーメン構造こそ、SE構法なのです!
※ラーメン構造、SE構法、壁量規定(筋交いなど)の話は
過去のブログのこちらをご覧ください。
「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」(ダイヤモンド社)の中で、
著者の田鎖氏は
「日本の住宅が短命な理由は家の老朽化だけでなく
こうした家族の変化に対応できないことにある」
と述べています。
家の建て替え理由で最も多いのは
”間取りが合わなくなったから”。
子供が独立したり、
住人が少なくなったり、などの
ライフスタイルの変化に合わせ
部屋数を減らして広く使いたい、という要望が多いようです。
しかし在来工法では
部屋を仕切っている壁も、構造体のひとつなので
簡単にとりはずして間取りを変更することはできません。
結果的に
梁の補強や筋交いの入れ替え、基礎の変更で費用がかさむので
やっぱり「新築建て替えで・・」となるのです。
スケルトン・インフィルの住宅ならば
家族の変化に合わせ間取りを自由に変更できます。
そしてそれは、
だれが住んでもその人のライフスタイルに対応できる、ということ!
これが資産価値が高まる理由の一つなのです。
2006年以降、
国の政策の中でも
”スケルトン・インフィルを普及させよう”という動きがあり
現在、都市再生機構も
スケルトン・インフィルの技術開発を進めているようです。
分譲マンションだけでなく、
戸建ての住宅でも今後さらに注目されていきそうです。
参照 「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」(ダイヤモンド社)
「家、三匹の子ぶたが間違っていたこと」
著者 田鎖 郁男、金谷 年展
発行所 ダイヤモンド社
2007年11月8日 第1刷発行