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トビカンの打ち込みタイルと、デキリコ展。

以前、渋谷の戸栗美術館へ行ったとき

(⇒これhttps://shima-kensetsu.co.jp/spot/11386

外壁のタイルに穴があいているのをみて

トビカンと同じ打ち込みタイル工法か!?となりましたが、

今回は、そのほんまもん(笑)の東京都美術館へ行きました。

トビカン、初めて行った!

上野公園にある、日本初の公立美術館。

一日1万人以上を動員していて

日本で最も人が集まる美術館のひとつだそうです。

本当に、建物もとても大きい。(同時にいくつも展覧会を開催している)

そしてこの落ち着いたタイルの色がスバラシイ!

ここに行く前に、赤レンガの法務省旧本館を見ましたが

あのレンガとはまた違う、シックな色調。

 

前川國男さん設計、1975年竣工の建物ですが

2010年から2年間かけて改修工事を行いました。

そのとき、外壁のタイルを担当したのはLIXIL。

 

建築時のタイルと同じ色合いを再現することが

とても大変だったようです。

当時の材料や、

自然な焼きムラを出せるトンネル窯がもうなかったから…

なので繰り返し試して材料の調合や焼成条件を研究したそう。

(参照LIXIL⇒https://www.biz-lixil.com/news/article/ialetter/pt1210/e001.html)

 

孔があいている独特の見た目は

打ち込みタイル工法によるもの。

普通は、コンクリートの躯体の表面に

タイルを”貼る”だけなのですが

これは、コンクリートを流し込む前に

型枠にタイルを並べておいて、コンクリートと一体になるようにしています。

その方が剥がれることがなく、耐久性が高い!

前川國男さんが好んでいた手法です。

 

①型枠をたてる

②内側にタイルをならべる

③目地をつめる

④セパレーターを設置

⑤コンクリ打ちこむ

 

という施工の流れ。

タイルの穴はセパレーターの跡、ということ。

 

さて、建物内部。

外も中も、本当に多くの、いろんな種類のタイルが使われている~。

(LIXIL頑張ったね・・・!)

色は、ブラウン系で統一されていて

照明も明るすぎず、かなり落ち着く空間です。

アーチの天井(ヴォールト天井)もめちゃくちゃ印象的。

 

今回、こちらの美術館には

デ・キリコ展を見に訪れました♪

展覧会の内部は

撮影禁止なので写真はありませんが。

背景の壁の色とか、

展示室の作り込みがすごかった!

しかも、ガイドはムロツヨシ!

それもとても良くできていて

世界観ばっちりで、かなり没入できます。

不思議で違和感のある、デキリコさんのワールド。

かなり好感が持てました。

90歳でも作品を生み出し続けた人・・

現在95歳でご活躍中の草間彌生さんと重なる、

エネルギッシュな方だったんですね。

 

 

とても楽しい、デキリコ展でした。

まだまだ、8月末まで開催されていますのでぜひ!

 

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