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『コンセプトの教科書』⑨ いいコンセプトは判断に影響する 19/30
この本を読み進めるにつれて、
コンセプトという考え方は、
商品や建物だけに使うものではない
と思うようになった。

会社にも必要なのではないか。
一つの建物について良いコンセプトをつくっても、
設計、施工、営業、管理がそれぞれ違う方向を向いていれば、
最終的な体験はばらばらになる。
建物は上質なのに広告の見せ方が違う。
企画では大切にしていたことが、
運営では忘れられてしまう。
こうしたことは意外と起きる。
そこで必要になるのが、
チーム全体が戻ることのできる共通の考え方

なのだと思う。
私は特に、小さな会社ほどコンセプトが重要なのではないかと感じた。
人数が少ない会社では、一人ひとりの判断が会社の印象に直結する。
すべてを社長が細かく指示することもできるかもしれない。
しかし、それでは組織が大きくなるほど限界が来る。
それよりも、
「私たちは何を大切にしている会社なのか」
が共有されているほうがいい。

迷ったとき、それに照らして一人ひとりが判断できる。
そうなれば、コンセプトは広告用のメッセージではなく、
経営の道具

になる。
そして私は、コンセプトは外に向けた約束であると
同時に、内側に向けた約束でもあると思った。
お客様に「こういう価値を提供します」と言う。
同時に、自分たちにも「この価値から外れる仕事はしない」と言う。
ここまで来ると、コンセプトと経営理念の距離はかなり近くなる。
会社として何をつくりたいのか。
どういう仕事を選びたいのか。
何を評価するのか。
コンセプトを考えることは、
会社そのものの輪郭を考えることでもある。
私は今回、この本を企画の本として読み始めたが、次第に
経営の本
としても読めるようになってきた。