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『コンセプトの教科書』⑤ ほしいものと「らしさ」の交点 15/30

前回は、顧客の表面的な要望ではなく、

その奥にある本音を見ること

について考えた。

 

ただ、そこで一つ疑問が生まれる。

 

顧客の求めるものを丁寧に調べ、それに忠実につくれば、本当に良い企画になるのだろうか。

 

私は、必ずしもそうではないと思う。

 

 

周辺の賃貸住宅を調べれば、

 

人気設備も分かる。

間取りの傾向も、

賃料帯も分かる。

 

それを全部取り入れれば、大きな失敗はしないかもしれない。

しかし、それだけでは

「どこかで見たような商品」

になってしまう。

 

 

そこで必要になるのが、

 

「自分たちは何を得意としているのか」

という視点なのだと思う。

 

独自性というと、奇抜なデザインや目新しい設備を考えがちだ。

しかし私は、この本を読みながら、

本当の独自性

はもっと地味なところにあるのではないかと感じた。

 

 

光の入り方を丁寧に考える。
収納を単なる量ではなく、暮らしの風景として考える。
余白のある空間をつくる。
人がどう動き、どう関係するかを考える。

こうした

 

「いつも大切にしていること」の積み重ね

 

が、その会社らしさになる。

 

 

そして、その自分たちらしさと顧客の本音が重なったところに、

強い企画が生まれるのだと思う。

 

誰にでも好かれる必要はない。

 

ある人が見たときに、「こういうものが欲しかった」

 

と感じてもらえるほうがいい。

 

 

企画を尖らせるというのは、派手にすることではない。

 

何を大切にするかを明確にし、何をやらないかを決めることなのだろう。

 

顧客、競合、そして自分たち。

 

この三つを見ながら、

「ここなら自分たちが価値を出せる」という場所を探す。

私はそこに、企画者の仕事の面白さがあると感じた。

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