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『コンセプトの教科書』③ 「いい問い」から 13/30

今回、特に印象に残ったのは、

「答えを考える前に、問いを考える」

という発想だった。

仕事では、どうしても早く答えを出そうとする。

 

空室をどう埋めるか。
どんな間取りにするか。
家賃はいくらにするか。
競合物件とどう差別化するか。

 

どれも必要な問いではある。

ただ、その問いを与えられたまま考えていると、

出てくる答えもある程度決まってしまう。

たとえば、「空室をどう埋めるか」と考えれば、

家賃を下げる、

設備を追加する、

広告を強化する

といった答えが思い浮かぶ。

 

では、問いを変えてみる。

「この場所に、わざわざ住みたくなる理由は何だろう」

 

こうなると、見える範囲が急に広がる。

 

建物だけではなく、

駅からの道、周囲の街、休日の過ごし方、窓から見える景色、

近所の店まで考えるようになる。

場合によっては、間取りそのものを変える必要があるかもしれない。

私はここに、企画の面白さがあると思った。

 

すぐに答えを考えるより、

まず問題の見方を変えてみる。

 

「どんな建物を建てるか」ではなく、

「この場所でどんな時間をつくるか」。

 

 

「何を売るか」ではなく、

 

「なぜそれが選ばれるのか」。

 

問いを少し変えるだけで、企画の世界が広がっていく。

 

ここで一つ疑問が湧いた。

良い問いは、どうすれば見つかるのだろう。

 

おそらく、そのためには自分たちが無意識に前提としていることを疑う必要がある。

 

「賃貸住宅とはこういうもの」「この地域ならこの家賃」「この世代ならこの間取り」といった常識を、一度横に置いてみる。

 

 

企画とは、新しい答えを出す仕事だと思っていた。

しかしその前に、

 

新しい問いを見つける仕事

なのかもしれない。

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