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『コンセプトの教科書』② コンセプトは「かっこいい言葉」ではない 12/30
この本を読み始めて、
最初に整理できたのが
「コンセプト」という言葉の位置づけ
だった。
私はこれまで、
この言葉をかなり幅広く使っていたと思う。
「海辺の暮らし」もコンセプト。
「自然素材を使った家」もコンセプト。
印象的なキャッチコピーもコンセプト。
そんな具合である。
しかし、よく考えると、
それぞれ役割が違う。

「海辺の暮らし」はテーマにはなる。
だが、それだけでは窓をどうするのか、玄関をどうするのか、どんな人に住んでもらいたいのかまでは決まらない。
アイデアも同じである。
大きな土間をつくる、
回遊動線にする、
共用の庭をつくる。
面白い工夫ではあるが、
一つのアイデアだけでは企画全体を説明できない。
キャッチコピーは、人に伝えるためには強い。
しかし、印象的な言葉であっても、
実際の設計判断につながらなければ広告の言葉で終わってしまう。
ではコンセプトとは何か。

私は本書を読みながら、**
「迷ったときに戻ることのできる判断基準」
**なのだと理解した。
何を入れるか。
何を削るか。
誰に向けるか。
どんな体験をつくるか。
それらを
一つの方向へ揃えるもの
がコンセプトなのだと思う。
たとえば「おしゃれな賃貸住宅」では判断ができない。
しかし、「忙しい人が家に帰った瞬間に気持ちを切り替えられる住まい
」ならどうだろう。玄関、照明、収納、窓、素材まで、少しずつ考え方が見えてくる。
ここで私の中のコンセプトの意味が少し変わった。
コンセプトは、人に説明するための言葉というより、
自分たちがつくるための言葉

なのだ。
そう考えると、
良いコンセプトほど表面的には目立たなくても、
完成したものの隅々に効いているのかもしれない。
