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『人文学は武器になる』⑩ 読み終えて――仕事にどう生かすか 10/30
10回にわたって
『人文知は武器になる』
について考えてきた。

読み終えて一番強く感じたのは、「人文知を身につけなければならない」と
難しく考える必要はない
ということだ。
歴史、哲学、文学、芸術などを専門家のように研究する必要はない。
大切なのは、自分の仕事とは直接関係がないように見える世界にも興味を持ち、
そこから考える材料を増やしていく

ことなのだと思う。
特にこれからAIが普及すると、
調査や分析、文章作成などは
ますます簡単になる。
その結果、人間の仕事は「答えを出すこと」から
「問いをつくること」

へ移っていくのではないか。
これは、私の仕事にもそのまま当てはまる。
建築を考えるとき、単に間取りや設備を決めるだけではなく、
「ここでどんな暮らしが生まれたら面白いか」
と考える。
不動産を購入するときも、表面利回りだけではなく、
その地域が10年後、20年後にどうなっているか
を考える。
会社経営でも、短期的な利益だけではなく、
「この会社をどのような存在にしたいか」

を考える。
そこには唯一の正解がない。
だからこそ歴史を知り、社会を知り、人間を知ることが必要になる。
今後は、
実務書だけを読むのではなく、
歴史、哲学、芸術、建築史など、
一見すると遠回りに見える分野
も意識して学んでいきたい。
遠回りに見える知識が、ある日突然、
一つの企画につながるかもしれない。
そして、この本を読んで最後に残った考えを一言にすると、
「AIに答えを出してもらえる時代だからこそ、
人間は何を問うか
を磨かなければならない」
ということになる。
人文知とは、そのために世界を見る
視点を増やしてくれる
ものなのだと思う。