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『人文学は武器になる』⑧ 数字だけでは経営できない8/30

仕事をしていると、数字は非常に重要である。

売上、利益、利回り、投資額、回収期間。

数字に置き換えることで物事を

客観的に比較できるようになる。

しかし本書では、

「数字ですべては測れない」

という問題も扱われている。

これは経営者にとって、とても重要なテーマだと思う。

二つの企画があり、

数字上の収益性がほぼ同じだったとする。

そのとき最後にどちらを選ぶのか。

会社の将来につながるか。

社員が面白いと思えるか。

顧客に喜んでもらえるか。

地域にとって意味があるか。

自分たちが本当にやりたいか。

こうしたものは簡単には数値化できない。

だからといって、

数字を無視して直感だけで決めればよいという話でもない。

 

数字で確認できるところまでは数字で考える。

その先に残った矛盾や不確実性を誰かが引き受け、

最後の決断をする。

それが経営者の仕事なのだろう。

本書では、人間社会には

「儀式」

が必要であるという話も出てくる。

会議、承認、契約、式典など、

一見すると非効率に思える行為にも、

人々が同じ結論を受け入れるための意味がある。

効率だけでは人間は動かない。

人は感情を持ち、

物語を必要とし、納得して行動する。

このことを理解するのも人文知なのだと思う。

AIが数字を分析し、

最適解を提示する時代になるほど、

最後に必要なのは

「それでも私たちはこちらを選ぶ」

という意志になる。

経営とは、合理性だけで決められないことを決める仕事なのかもしれない。

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