BLOG
『人文学は武器になる』③「すべての出来事は過去に起きている」3/30
本書で特に印象に残った考え方の一つが、
「すべての出来事は過去に起きている」
というものだ。
もちろん、AIやインターネットのように昔には存在しなかった技術もある。
しかし、
人間そのものはそれほど大きく変わっていない。

権力を求める。
豊かになりたいと思う。
集団をつくる。
争う。
協力する。
成功すると慢心する。
危機になると団結する。
こうした人間社会の基本的な行動には、長い歴史の中で繰り返されてきた
「傾向」がある。

だから歴史を学ぶ意味がある。
例えば、
勢いのある組織がなぜ衰退するのか。
新しい技術が登場したとき社会はどう変わるのか。
強い国がなぜ弱くなるのか。
既得権益がどのように組織を硬直化させるのか。
まったく同じ出来事は起こらなくても、
似た構造は何度も現れる。
そう考えると、歴史は昔の出来事を覚える科目ではなく、
現在を理解するための
「巨大な事例集」
と見ることができる。
仕事でも同じだと思う。
成功した会社も失敗した会社も無数にある。
成功したプロジェクトもあれば失敗したプロジェクトもある。
それらを見ることで、
「この状況は以前にも似たものがなかったか」
と考えられるようになる。
本書では秀吉や家康、企業経営、外交など、異なる分野を横断しながら
「タイミングを見ること」の重要性

も語られている。
未来を完全に予測することはできない。
しかし歴史を知っていれば
現在の自分がどのような状況に立っているのかは、
少し見えやすくなる。
歴史を学ぶとは、未来を当てることではなく、
現在を見る解像度を上げることなのだと思う。
