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決算書×ビジネスモデル大全① ヤクルトレディの重要性 11/30
ビジネス書は
精神論や抽象的なこと
真似のできないような話が多いが
ここにきて
現実的な数字を扱う本がでてきた
それが
今回から10回取り上げる
「決算書×ビジネスモデル大全」
なんだかんだ言っても
数はごまかせない
その会社が上手くいっている、上手くいっていない
その理由は数字に表れる
それは現実的でかなり面白い
第一回目に取り上げるのは
「ヤクルト」
「ヤクルト」というのは本当に個性的な企業
他の飲料メーカーと違い
ヤクルトレディという販売員が
直接 お宅を訪問して販売する
こんな売り方
長続きはしないだろうとみていたが
そんなことはなく
いまだに元気な企業
そんなヤクルトの強さの秘密を
数字から見ていくとどのように見えるのか?
まず押さえておきたいのは
ヤクルトレディの販売シェアは50%あるということ
つまり
ヤクルト好調の理由はここにある
まずは
ヤクルトのP/L
売上 4150億
原価 1670億(原価率40%)
販売費 1950億(販売比率47%)
営業利益 530億(売上高営業利益率 13%)
これは22年決算だが
増収増益
これはヤクルト1000をはじめとする乳製品の売上が
伸びたことが主な原因
ここで言えるのは
ヤクルトは
他の乳製品メーカーと比較した場合
販売費率(47%)が高く、原価率(40%)が低いということ
他社は原価率が約70%、販売比率は約20%が平均的
随分とその数字が違う!!
販売費の内訳は
給与手当、販売手数料、広告宣伝費など
そのなかで
「ヤクルトレディ」に対する報酬は⇒販売手数料
ヤクルトレディは基本的に社員ではなく⇒個人事業主という扱い
個人事業主として販売会社と業務委託契約を結んでいる
販売手数料の売上高に対する割合は7%
ポイント
ヤクルトレディによる直販体制は
販売費を押し上げる一因となっている
その一方で
⇒これが低い原価率に結び付いている
なぜなら
小売りのマージンがかからない
もう一つは
⇒定価販売なので粗利益が高くなる
ということ
それに加えて
ヤクルト自体のブランド価値
+機能性に対する信頼
も原価率の低下に貢献している
結論として
ヤクルトレディでの販売方式は
粗利益を高水準に保つことに貢献していて
結果
安定経営につながっているということ
ヤクルトレディを使うことで
売上を安定させ
高付加価値の商品を
定価で安定して販売できる体制を築き
その体制を維持するために
ヤクルトレディにも十分な報酬を支払っている
というとだな・・・
なるほど
そこが強みなのか・・・