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決算書×ビジネスモデル大全⑨ モリモトの粉飾どう見破る 19/30
ずっと
優良な企業の
内容
見習いたい企業のことを
紹介してきたが
今回は
見習いたくない話
それは粉飾決算
一次的にごまかしてもどうなるものでもない
と思うが
どうしてこうなる?
今回の例は
数年前のリーマンショックで
倒産した
「モリモト」という
マンションデベロッパーの会社の
粉飾の話
粉飾を見破るポイントは
CFつまりキャッシュフロー
BS、PLを一時的にごまかすことができても
預金残高
支払い
等に裏付けされた
キャッシュフローはごまかすことができない
モリモトは黒字なのに倒産してしまった
何故?
売上2004年 606億
2008年 1176億
経常利益 31億⇒183億と大きな伸び
経常利益率 5%⇒16%
ものすごい順調に成長している会社
しかし、不動産業で経常利益率が極端に上がっているのは
少し不自然な気もするが・・・
そのときの
CF
キャッシュフロー計算書
営業キャッシュフロー マイナス161億
投資キャッシュフロー 0億
財務キャッシュフロー 192億
と
営業で流れ出したキャッシュを
財務つまり借入で賄っている
イコール借入ができなければ
即資金ショートというのがここからわかる
そして営業キャッシュフローの増加の内訳は
棚卸資産の増加がマイナス296億
となっていて
棚卸資産が増加したことで
説明
営業キャッシュフローのマイナスを
多額の在庫の増加により
説明することで
かろうじて
税引き前の利益 180億を説明している
もうかなりやばい感じ
大量の不動産を抱え込み
かろうじて表面上は利益を確保したようにみせたものの
リーマンショックで
在庫をさばきキャッシュを確保することだ出来ないので
銀行に見限られた時点で
倒産ということになってしまった
お粗末な結果
在庫に計上されていた
棚卸資産の価格自体も
リーマンショックにより下落して
含み損が発生していたのがうかがわれる
不動産業
特にマンションのデベロッパーの場合
ほとんど借入で資金を回すことになるので
どんどん事業を拡大することができるが
市場をあまり見ないで
増収増益だけを考えて
行動すると
少しでも市況が悪化したとに
一気に銀行に見限られて
倒産ということになる
同じようなことは
過去にも繰り返されており
不況を経験していない企業との取引は
用心する必要がある。