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住宅の外皮性能とエアコンの話

2016/09/09

前回のカーペットの記事で、

「次回は色彩の話・・」と言いましたが

今回は住宅の外皮性能と暖冷房の話を少し!

(昨日、東京にて野池学校の講義があり参加しましたので

まだ記憶が新しいうちに・・・ということで)

 

以前こちらのブログで

「パッシブデザイン①」、「」、「空気を入れ換えて快適に!

という3つの話を野池政宏氏の著書を参考に書きました。

その後、7月から始まった「野池学校」という野池氏による勉強会に参加し

実践的に、ソフトを使って住宅の外皮性能計算を学んでいます。

昨日は第三回目の講義で、暖冷房計画と内部結露のお話しでした。

 

さて、それでは

「住宅の外皮性能とはいったい・・?」というところからです。

 

いま、”省エネ住宅””ゼロエネルギー住宅”などがあり

住宅の性能というものが注目されていますね。

例えばハウスメーカーさんのモデルハウスなど行くと

UA値いくつ!ηA値いくつ!とか、Q値いくつ!など、

数字が並んでいるのを目にするかと思います。

それが、住宅の”外皮性能”を表す数字です。

外皮とは、その字のごとく、壁や窓や屋根や床(基礎)など

外と内を隔てる部分です。

 

この外皮性能を示す数値について、簡単に説明すると

UA値とQ値は、冬どれだけ熱が逃げるかを示し

ηA値(イータエーと読みます)は、夏どれだけ熱を取り込むか、を示しています。

UA値、Q値、ηA値ともに、数値が小さいほど良いとされます。

 

また日本全国は、8つの地域に区分され(気候がことなるので)

それぞれで基準となる数値があります。

その”基準の数値”以下なら、”省エネ基準適合住宅”というわけです。

 

ちなみに、

神奈川県や東京都の区分はというと、5か6で

弊社の施工エリア内ではほぼ、6です。

6というのは、まあまあ温暖な地域という感じでしょうか。

6の基準値は

UA値0.87

ηA値2.8

ですので、この数字以下になれば「平成25年省エネ基準適合住宅」となります。

 

この数値、どうやって計算するの?ということですが

それは・・まあ、部材の熱貫流率や面積などから出せるわけです。

(手計算でもできますが、野池学校ではソフトを使って行います!)

 

ところで

UA値は法律上では有効ですが

換気による熱損失が含まれていなかったり

外壁が多いほど数値が良くなることがあったりするので

実際はQ値で判断した方が正確だということです。

 

さて、

それでは暖冷房の話ですが。

こちらも同じように計算により

「室温の変化」や

「この家だとこれだけ熱が逃げるので、このくらいの力の暖房機器が必要」

だとかを予測できます。

昨日は野池学校で、各自の図面をもとにそのような予測を行いました。

 

ただ、お伝えしたいことはそちらではなく

昨日聞いたちょっとびっくりな話です。

エアコンなどの商品カタログには

畳数の目安、能力(kW)、消費電力

が記載されていますよね。

その数値はメーカーが計算したものですが

それはなんと「ほとんど断熱されていない家」という仮定での計算!

ですので、断熱材がしっかりとはいっている今の住宅では

ほとんどの場合オーバースペックのものを皆さま使われているようです。

本当にエコを考えるのなら、無駄な電力は消費しない

部屋に見合ったエアコンを購入したいものです。

 

そして最後になりますが

こちらも昨日聞いたお話し。

最近Twitter上で

「部屋のエアコンをつけっぱなしにしていたら電気代が下がった!」

という方の話が話題となったそうです。

しかし!これは恐ろしい勘違い!!

たしかにいろいろな条件が重なってそのようになる可能性はあります。

エアコンはつけはじめにブウォーっとパワー全開で動くので

立ち上がりのエネルギー消費が激しいです。

ですのでこまめにつけたり消したりすると、

エネルギーをその分多く使ってしまうのではないか、というのもわかります。

ただ、ずっとつけっぱなしにしていたとしても、室温が設定温度を上回るたび

ブウォーっとパワーアップして冷やそうとしますよね。

つまり結局は、必要な時だけつける方が消費電力は少ないとのことです。

 

「こまめ」か「つけっぱ」か、どちらがエネルギー消費が少ないかを

実験したダイキンのレポートを見ることができますので

興味のある方はどうぞ →ダイキンによる検証結果

 

室温には、家のつくりや立地条件、天候など様々な要因が関わってきます。

私は、今まさにその勉強をしているわけです。

「つけっぱなしにしていて電気代安くなった」人がいたとしても

まったく同じ家の条件でない限り、同じ結果にはならないのです。

可能性としてはあり得ますがそれは例外的で、たいていの場合、

エアコンはこまめにつけたり消したりするのが良い!!

とのことでした。

 

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